執事と共に謎解きを。
――コンコン
「わしじゃ、恵理夜お嬢さん。失礼するよ」
訪問者はヤマザキだった。
「おはようございますヤマザキ先生、どうしたんですか?」
「いえ、少しお耳に入れておきたいことがありましてな」
「なんでしょうか?」
「春樹から、昨日襲われたという報告を聞いてな。調べたんじゃ」
「お手数おかけしました」
「いや気にするな。それでの、どうもシラヤナギの仕業のようじゃよ」
もったいぶった口調で、ヤマザキは告げた。
「……わかりました。気をつけます」
「うむ。それじゃ、邪魔したの」
ヤマザキは、春樹の開けた扉から出て行った。
「あの人も、案外、頭が悪いわね」
「あの人、とは?」
春樹の問いに恵理夜は笑うだけで、何も答えなかった。