好きです。
……どーしよう。
放課後の裏庭で、ストラップを首にかけ、カメラを手にしたあたしは叫んだ。
「どーしよう!」
少し離れたところにいた藤原くんが、あたしの声に反応したリィをなだめながら、振り向いた。
「リィがびっくりしただろ? 何がどーしようなんだよ」
ぶっきらぼうな声に、あたしは小さく肩をすくめて、カメラを構えた。
「コンクールが……」
そう、あたしのどーしようは、コンクールをどーしよう。なのだ。
先生に言われるまで、あたしはコンクールのことをすっかり忘れていた。
先生に「すぐ出します」と答えたものの、出せるような写真は一枚も撮れていなかった。
何か撮らなきゃ!
そう思ってカメラを手に、裏庭に足を運んだら、案の定そこに藤原くんがいて、あたしはたまらず叫んでしまったのだ。
「まだ写真撮れてないの?」
藤原くんにはコンクールの件を話していた。
あたしはうなづくと、カメラを構えた。
小石を踏んで、じゃりじゃり音を立てながら、藤原くんがいる場所へ向かって距離を縮めていく。
その間、足元や木立、それから空を何度も何度も撮った。
シャッターが切られると、規則的にカシャッ、と音を立てた。
あたしに背中を向けたままで、藤原くんは言葉を続けた。
「写真てさ、撮ろうと思って撮れたら、誰も苦労しないよ」
藤原くんの言葉に、あたしの足が止まった。
放課後の裏庭で、ストラップを首にかけ、カメラを手にしたあたしは叫んだ。
「どーしよう!」
少し離れたところにいた藤原くんが、あたしの声に反応したリィをなだめながら、振り向いた。
「リィがびっくりしただろ? 何がどーしようなんだよ」
ぶっきらぼうな声に、あたしは小さく肩をすくめて、カメラを構えた。
「コンクールが……」
そう、あたしのどーしようは、コンクールをどーしよう。なのだ。
先生に言われるまで、あたしはコンクールのことをすっかり忘れていた。
先生に「すぐ出します」と答えたものの、出せるような写真は一枚も撮れていなかった。
何か撮らなきゃ!
そう思ってカメラを手に、裏庭に足を運んだら、案の定そこに藤原くんがいて、あたしはたまらず叫んでしまったのだ。
「まだ写真撮れてないの?」
藤原くんにはコンクールの件を話していた。
あたしはうなづくと、カメラを構えた。
小石を踏んで、じゃりじゃり音を立てながら、藤原くんがいる場所へ向かって距離を縮めていく。
その間、足元や木立、それから空を何度も何度も撮った。
シャッターが切られると、規則的にカシャッ、と音を立てた。
あたしに背中を向けたままで、藤原くんは言葉を続けた。
「写真てさ、撮ろうと思って撮れたら、誰も苦労しないよ」
藤原くんの言葉に、あたしの足が止まった。