ご主人様の魔法

それを聞いた瞬間、あたしは部屋を飛び出していた。

涙が止まる事なく溢れてくる。

そのまま家を出て走った。

目的もなく走った。

信号も無視して走った。

事故にあってもいいと思った。

どんな傷を負っても……、

陸の言葉で傷ついた心のほうが、

ずっと痛かった……。

走っている間も涙は止まらなかった。

逆に溢れてくる。

< 287 / 331 >

この作品をシェア

pagetop