ハク息がシロイ

ハク昼

昼休みがきた。
衿葉は部活の呼び出しで居なかったので、私は一人で屋上に上がった。
屋上は今の季節は寒くて誰もいないから好き。
ひざ掛けとホットドリンクは必需品だ。
いつも誰もいないはずの屋上から音が聞こえる。
・・・バイオリンだ・・・・。
私はそっと屋上のドアを開くとそこには、夏騎くんがいた。
綺麗な音色を奏でている夏騎くんは夏騎くんではないくらい表情豊かで、
とても綺麗だった。
我を忘れて聞いていると、私の手からホットドリンクがこぼれおちた。
「・・・誰?」
夏騎くんは不機嫌そうに私の方を向いた。
私は観念して隠れるのをやめた。
そして内心パニックだった。
「あの、すみません!!あの、綺麗だったんで・・・つい・・・あ、これじゃいい訳ですねっっ・・・盗み聞きしちゃってごめんなさい!!すぐ行くんで!!」
私は後ろを向いて走った。踊り場につくと夏騎くんの声が聞こえた。
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