ずっと、見ていたい
近くなった距離
「おーい、」
その声で目を開けた俺。
重い瞼に覚えてない記憶からするといつのまにか寝てたらしい。
「やっと起きた。お前が来ないから、サボってきたんだぞ」
自慢げに言う健二から見ると
確実にサボりたかったからサボったのだろう。
『ってぇ。頭痛ぇ』
「そりゃ壁に首預けたら痛くなるって」
そう言って、俺の横に座った健二。
「また告白だったか?」
『あー…ああ』
頭から消えかかってた。
「お前だけずりーよ!!俺も女を選びてえ」
唇を尖んがらせて言う健二に苦笑いが零れる。
っていうか
『…健二は彼女居んだろ』
健二には彼女が居る。
別に可愛いって訳じゃない。
ただ筋のある女で、莉音ちゃんの友達。
「まあなー」
そう言って後ろの髪を触る。
健二が自慢げに言う時の癖である。