ずっと、見ていたい
俺は、壁に背中を付け座り込む。
すう…と目を伏せて俺は莉音ちゃんとの出会いを思い出していた。
――…あれは確か、まだ暑い夏の夜。
入学しても尚、クラスメートに興味など無かった俺はわざわざ名前なんて覚えてなかったし、ほとんど知らない人ばっかりだった。
唯一、中学から同級生だった健二と行動してた。
その日は本当に暇すぎて。
夜からコンビニに雑誌の立ち読みに行ったんだ。
家から1番近いコンビニ。
コンビニで雑誌を読んで重い足取りで家に帰ろうと一目の少ない道を通った時だ。
前からパタパタと必死に走る女の子が見えた。
彼女は何かに必死でライトが付いているのにも関わらず俺にぶつかってきた。
「あっ…ご…めんなさい!!」
そう言って涙目で俺を見上げた彼女にどくんと脈打った心臓。
「あの………………」
とっても困って涙を流してる彼女は普通じゃないくらい焦ってる。