ずっと、見ていたい
どうしたのか、と聞こうとした時。
「……どうして逃げるんだよお」
なんか気持ち悪い声が聞こえた。
暗くてよく見えなかったが、ライトに近付くにつれ見えてくる。
おかっぱ頭に黒ぶち眼鏡。
汗を有り得ないくらいかいていて
はぁはぁ、と息切れしてる様子もある。
なんか、こいつの目変だ。
すぐにわかった。
薬をしていることくらい。
そいつが近付いてきた途端、
俺の目の前の彼女はガタガタ震え出す。
俺はなぜだか。この子を助けなきゃと思った。
だから、本当急だった。
「なんだよ…君は。僕と彼女との愛を邪魔するというのかい?」
『…なんだよ、こいつ』
「彼女は僕と一緒になる運命なんだよ。邪魔する奴は許さないよ」
一瞬にして目つきが変わったコイツに鳥肌がたった。