time-is-money.



しばらくそうしてから、
ソルトがぴょんとジャンプして、そのまま宙に浮いた。



「小夜、きぃ。」

名前を読んだきり
何故かにっこりほほえんで
喋らないソルト。

いつもと違うソルトの様子に
胸がざわつく。


「ヤダ。」



何となく、そう口に出してしまった。


「今日の小夜は駄々っ子だぞ。」
とソルトがケタケタ笑った。



「今日で小夜とは..お別れだ。」


やっぱり....


「どうして..??」


「ソルトはトナカイだぞ??
今日お仕事しないでいつするんだ??」


「また戻ってくれば良いじゃない!」


「小夜にはもう、きぃがいるじゃないか。」


「そんな...。」


いつの間にか立ち上がっていた私の肩をきぃが抱く。


せっかく止まった涙が
ボロボロこぼれ落ちる。


「ソルト..いっ...ちゃヤダぁ。」



本当はいつかこういう日がくるって分かってた。


でも。
それでもやっぱり寂しくて。

そんな私をきぃとソルトは
落ち着くまで見守ってくれた。



< 114 / 123 >

この作品をシェア

pagetop