time-is-money.



「マスター、
お願いしますっ。」



ちょっと困った顔をして
チラッと私の顔を覗くように
みるマスター。


「き、きぃ...
お金なんて...」

私の声は思ったよりも
頼りなげで。
きぃには
逆効果だったみたいで。

「バカ。
めっちゃ欲しそうに
見てたくせに。
そんくらい見栄張らせろよ。」


頑固になった。


私達の会話は
しばらくこんな攻防戦が
続き、マスターはというと、
さっきの困り顔ではなく
笑顔に変わっていた。


それに気づいたぃと私は
はっとして下をむいた。


すると、マスターが
あっけらかんとした表情で


「あげるよ。」


とトナカイを手に取ると
私の手のひらにのせた。


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