time-is-money.



「「へ??」」


きぃも私もまたまた同時に
顔をあげて声を合わせる。


そしてやっぱり
そんな私達を見て
マスターは笑った。


「元々クリスマスまでしか
店に飾らないし、
そんなに欲しいなら
小夜ちゃんにだったら
喜んであげるよ。
もちろん、ただでね。」


急展開な結末に私は
ついていけないでいて、
じっと手のひらのトナカイを
見つめていた。


きぃが何も言わない私より先に


「ありがとうございますっ」

と言ってくれた。


私はその声にはっとし
小さく
お辞儀をすると


マスターは

若いね-

とへらへら手を振って
カウンターに
入っていった。


それをぼ-っと
見送ると、私は大事に
トナカイを鞄にしまった。


それを見届けてから
きぃが
「良かったね。」
と囁いた。


その顔があまりにも
柔らかくて、私は胸が
苦しくなった。

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