ご主人様との秘め事
衝撃で、言葉が出ない。
「……………バカぁ…」
なんか涙が出てくる。
だって、あたしの理想のキスは、大好きな人と思いが通じあってするキスだったんだもん。
なのに現実は、よくわかんない変態男に唇奪われちゃって………
「なに泣いてんの?俺にキスされて、そんなに嬉しかった?」
バカじゃん、ただの。
この男、人の気持ちがわかんない、ただのバカだよ……。
「あぁ、涙目って逆効果だよ?俺のこと、すげぇ煽ってる。」
今の言葉で、あたしの中の何かが切れた。
神崎に対する怒りが沸いて来る。
「なんなの?煽るとか、逆効果とか、意味わかんないよ……。あたしは、あんたとキスして嬉しいなんて、全く思ってないんだから!!勘違いしないでよ!」
そう言ってから見た、神崎の顔はちょっと悲しげだった。
………言い過ぎたかな?
でもっ!!ここでちゃんと言わなきゃ、また変なことされちゃうかもしれないし!
「………ごめん。」
小さく、でも確かに神崎が謝った。