Rainy Days


「物事は平等にいかないといけないよね、大原さん?」


俺はニヤリと笑って凪の腕を引っ張った


パシャッとローファーが水を弾く


『冷たっ!!』


「ほら、帰るぞ」


雨に濡れた凪を見て満足した俺も雨空のもとに飛び出した


『なんで私がこんな目に~!!』


凪は文句を言いながらも俺に倣って走る


「自分だけ濡れずに帰るなんて都合のいいこと考えたからだ」


『お~う~ぼ~う~!!』


凪はカバンで頭が濡れるのを防ぎながら下から睨む


全然怖くない


「速く走れよ」


少しでも早く駅に行きたい


『……誰のせいよっ!!』

吐き捨てるように呟くと凪は走る速度を上げた―…



< 12 / 85 >

この作品をシェア

pagetop