Rainy Days


「まだ降ってやがる…」


ベッドから覗いた空はまだ雫が滴っていた


ことが済んでも雨がやむ気配はいっこうにない


着替えるのも面倒臭くて俺は裸のままタバコを取り出し火をつけた


小うるさい凪はシャワーを浴びてる最中だから誰にも邪魔されない


狭い部屋…


改めて凪の部屋を観察する


机とベッドくらいしか置けないじゃねえか…


あいつが玉の輿を狙ってた理由を垣間見た気がする…


クソッ!!


さっき発散させたはずなのにまた欲望がせり上がってくる


狭い部屋だからこそあいつの香りが満ちていておかしくなりそうだった


だから…


『凪ねぇ―、帰ってんの―?』


ガチャッと突然開いたドアに反応出来なかったのも仕方ない



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