Rainy Days


『オニイサンは“マサト”でしょ?いつだったか凪ねぇと一緒に逃げた後、洗いざらい吐かせたから知ってるよ』


あ―…そういやあん時見たことあったかもしんね―


『大切にしてやってクダサイ。凪ねぇが男を家に連れてくるなんて初めてなんで』


由吾は邪魔しないように出掛けてきますと言って凪の部屋から出て行った


八頭ですら踏み込めなかった領域ってことか…


この部屋は…


『ま、まま、まま匡人っ!!』


ドタバタと階段を駆け上がる音がしたかと思うと凪が部屋に飛び込んできた


『ゆゆ、ゆゆ由吾に会った!?』


「会った」


凪は頭を抱えて小さくなり始めた


『さいっあく!!も―――っ!!信じらんないっ!!』

凪は絶望的なほどに落ち込んでいた



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