Rainy Days


「それで、お前は何に悩んでるんだ?」


凪は俺を上目遣いで見た


『やっぱ言わない』


「……はあ?」


この期に及んでこいつは…


『もう少し自分で考えてみる。匡人の顔見てたらそう思っちゃった』


凪はいやに清清しい顔をしていた


なんだそれ


突然呼び出された俺の立場って何だよ


「そう言えば、お前最近携帯に出ないな?」


ふと疑問に思っていたことを口にだす


『ああ、夏休みだしバイト増やしたの。だから忙しくって…』


「忙しくてもメールくらいしろ」


凪は目を丸くしていたかと思うと次の瞬間にはニヤリと笑い俺の肩をポンポンと叩いた


『匡人ったら寂しかったの―?』


いつもと立場が逆転してよほど嬉しいのだろう


凪のニヤニヤ笑いはとまる気配がない



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