Rainy Days
『お~久しぶり、匡人』
紘一さんは相変わらずの力の抜け具合だった
「お久しぶりです、紘一さん」
礼儀正しく頭を下げる
『まあ、座りなよ~。さっき連絡がきて東城さんは遅れてくるそうだよ』
あの親父…
何様のつもりだよ
俺は紘一さんに促されるままに椅子に座った
『テキトーに頼んどいたよ』
「すいません、人との約束に遅れてくるような父親で」
『仕方ないよ~ヨーロッパ帰りでごたついてるんだから』
親父と紘一さんは年こそ離れているがいい友人同士だ
だからこうして待たせることができる
「紘一さんもこの間まで長期の出張だったじゃないですか。どうでしたか?」
『どうもなにも美弦に会えないなんて地獄以外の何者でもないね』
……この親バカが