Rainy Days


『俺、見たんだよね~♪昨日匡人が駅前の広場で大原ちゃんと一緒だったところ』


紘一さんは両肘をテーブルにつき、重ねた手の上に顎をのせて、俺の反応を楽しそうに眺めていた


うわ…最悪


マズイ…



この話の方向性はマズイ


『あの後2人でどこに行ったのかな―?』


「あ―…紘一さんに関係な『紘一くんに関係がなくても私にはあるだろう』


バッと後ろを振り返ると、俺とほぼ同じ顔をした男が小さく手を振っていた


も―頼むから誰かこの状況なんとかしてくれっ!!


『東城さん、ご無沙汰してます』


『紘一くんも元気そうだな』


頭を抱えてうなだれている俺をよそに挨拶は順調に交わされていく


このまま上手い具合に話が逸れてくれ


そんな願いが神様に、ましてや大魔王の親父に届くはずがなかった



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