Rainy Days
『匡人、お前本気になったのか?』
「あ?なにがだ?」
外の景色を眺めていた俺は親父のほうに目を向けた
車内には俺と親父と運転手
なんで親父と一緒に帰らなきゃなんねーんだよ
『お前も愁も1人に搾るのはもっと先のことだと思ってたんだが…』
「未だに1人に搾れてない奴がよく言うぜ」
俺は鼻で笑った
親父の愛人は片手では足らない程いる
そのせいで今、お袋とは別居中だ
『まあ、聞け。匡人、あまり溺れるなよ。女っていうのは怖い生き物だ。平気で男を乗り換える』
それは男も同じだろ…?
あんたを見てるとそう思える
『東城財閥の後継者が女に振り回されるなんてことはあってはならないからな』
親父は俺の肩をポンッと叩いた