Rainy Days
「高梨社長はいらっしゃいますか?」
『はい。ただ今打ち合わせの最中でございます』
受付の女はいつも通りの儀礼的な笑顔で答えた
「ありがとう」
俺は慣れた足取りで紘一さんのいる社長室へと向かった―…
『社長、本気…なんですか…?大原さんのこと』
凪…?
思わずノックしようとしていた手が止まった
『俺は本気だよ』
声の主は紘一さんと相楽さんだ
『まあ、大原ちゃんは確かに若いし俺に言わせればまだまだ子供の部分もあるけど…時々、すごく大人になる。その感じがたまらなくいいんだよ』
声の感じからして紘一さんは楽しそうだった
『しかし…大原さんには匡人さんがいるのでは…?将来的には…』
『先のことはまだわからないよ、相楽』
少しだけ開いたドアから覗くのは不敵な笑みだった