Rainy Days
One
『タバコはやめてって言ってるでしょ?』
凪は腰に手を当てて俺の前に立ちはだかっていた
なんで分かるんだよ
「……そのうちな」
俺は手に持っていたタバコをコンクリートの床に押し付け火を消した
屋上から見える空は途方もなく青かった
『ホント!!何度言ってもやめないんだから!!』
凪は隣に座り、俺のポケットからタバコの箱を取り出した
『没収!!』
箱を軽く振りながらプンスカと怒る
「お前に何の権限があるんだよっ」
俺が何しようと勝手だろ?
俺は凪の手からタバコを奪い返した
『あっ』
奪い返したタバコをしまうと凪が恨めしそうに睨んできた
『匡人は絶対肺ガンで死ぬわ…』
「それはどーも」
俺は肺ガンで死ぬ前にお前に刺されて死ぬ予感がする
つかの間の休憩時間を無駄に使ってしまった
俺は凪とともに屋上から生徒会室に戻ろうとした