Rainy Days
「お前、もういいよ」
もう、いい
傍にいて傷つけるくらいならもういい
『ま…さ…』
「どこでも好きなところに行け」
好きなところに行って
もっとまともな人間に愛してもらえ
……俺には無理だから
俺は傷つけることでしか愛情を示せないから
「出てけっ!!」
『…っ…』
バタンと扉が閉まる
凪は出て行った
何度も何度も俺を振り返りながら…
それでも出て行った
「っ…凪…」
ベッドの端に腰掛けて頭をかきむしる
不確かだったものを掴んだ途端に失った
“愛してる”
外に目をやる
雨粒が窓にパチパチと音をたててあたる
凪は帰れたのだろうか…
俺にはそんなことを考える資格はない
愛を囁く資格もない
きっと俺は自分を許せないから――…