Rainy Days
Four
『匡人先輩、話があります』
美弦ちゃんが神妙な面持ちで俺の元にやってきたのはあの出来事から2、3日経った頃だった
「夏休みだっていうのにわざわざ俺に会うために学校に来たの?」
『はい』
一点の曇りもない瞳が俺を射抜く
心とは真逆の空模様が眩しかった
『凪ちゃんに…何を…したんですか…?』
美弦ちゃんが口を開くと同時に温い風が背中から吹きつけてくる
「美弦ちゃんには関係ない」
そう言うと美弦ちゃんはみるみる険しい表情に変わっていった
『凪ちゃん、私には何も言ってくれないけど原因が匡人先輩だってことぐらいはわかりますっ!!』
必死に訴える様子はあいつの作り上げてきた友情の深さを思い知らせた