Rainy Days


凪のいないこの空間が広く感じる


誰もいない椅子


夕暮れの生徒会室


俺の隣はあいつの指定席だった


会議のときも、作業中も


それが当たり前になって、俺は見落としていたのかもしれない


傍にいることは当たり前なことなんかじゃない


……だから終わらせた




「好きに決まってんだろ…」


凪が俺じゃなくて紘一さんを選んだこと


あの時感じた喪失感は本物だ


好きだから離れて欲しくなくて


好きだから愛して欲しかった


好きだから…


傷つけたお前の傍にはいられないと思った


美弦ちゃんに指摘されるまでもない


……好きだった


あいつの席に腰掛けて、机に突っ伏する


女々しい自分が一番嫌いだ


もう、どうしたらいいかわからない…


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