Rainy Days


突然バシッと背中を叩かれる


『彼氏のほうが詳しいでしょ』


からかって…るのか?


ヒリヒリと痛む背中が現実だと思い起こさせる


納得できずに訝しんでいると紘一さんがうーんとうなり始めた


『…書類がそろったから気が変わらないうちに早く進めたいんだけどな…』


「……書類?」


『あれ?大原ちゃんから聞いてない…?』


呆けている俺の耳に更に驚くべき事実が飛び込んできた


『大学の学費を払う代わりに卒業したら俺んとこに就職するって話、聞いてない?』


初耳…だった…


『匡人に持っていかれる前に先手を打たないとね~。うちの会社の人材不足は深刻なんだよ~』


…俺が聞いたのは…この話のことだったのか…?


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