Rainy Days


「…レストランで会ってたのも…この話をするためですか…?」


知ってたんだ?と答えると紘一さんは真面目な顔をして俺に言い放った


『言っとくけど、俺は大原ちゃんに手を出してないよ。第一!!大原ちゃんは匡人以外の男には扱えないだろ?』


じゃあ…俺が…したことは…っ…


『っ匡人!?』


くだらない


すべてくだらない


何をしていたんだ?


余計なプライドばかりを気にしてあいつの声に耳を傾けていなかったのは俺だ


悩んで…いたのに…


将来のことも、進学のことも


あいつなりに悩んでいたのに…


俺は結局自分のことしか考えていなかったじゃないかっ…


『匡人!!どこに行く!!』


既に走り出していた俺の足を止めたのは親父の怒りを押し殺した怒鳴り声だった


「あんたには関係ねえよ」


『大事なパーティーを放り出してどこに行くって言うんだ!!』


大事なパーティー…か…


「俺は…」


拳を握りしめる


「あんたみたいにはなりたくない」


俺はあいつを


……もう一度手に入れる


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