Rainy Days
インターホンを押してから大分経つ
留守なのか…?
そう思いかけた頃にスッとドアが開いた
『いつまで突っ立ってんだよ』
由吾は不愉快極まりないと苛立ちげな声を発した
素早く後ろ手で玄関のドアを閉める
『何しに来た!!』
「凪に会いに」
そう言うと由吾の顔は益々険しくなった
『捨てた女に何の用があるんだよ!!』
「用があるから来たんだろ」
用があるのはお前じゃねえ
『そうやって都合よく利用して…!!あんたは凪ねぇをこれ以上ないってほど打ちのめしておいてまだ足りねえのかよ!!』
都合がいい…か…
確かにそうかもしれない
ノコノコやってきてバカにほどがある