Rainy Days
俺は凪に構わず、門の中に入ろうとした
『逃げんなっ!!』
それも凪の怒声に遮られる
『絶対許さないから…』
不意をつかれた俺は凪に腕を引かれた反動で正面を向いてしまった
凪の顔をまともに見ることになってしまった
怒りとも、憎しみともとれる
鋭い瞳―…
『今更、放りだすなんて絶対許さないんだからっ…!!』
胸倉を掴まれ顔が近づいたかと思うと唇を塞がれる
呆然とする頭に久し振りに嗅いだ凪の香りが隅々まで染み渡った
『あんなに寂しそうな顔しながら抱かないでよ!!』
感情的に叫び出す凪の手に力が入る
シャツ越しに感じる
凪の手は震えていた
俺に触れるのが怖いのか…?