Rainy Days


「凪…?」


髪に何かが当たる感触がして、俺はうっすらと目を開いた


『あっ目、覚めた?』


タオルで俺の髪の毛を凪だった


『家の人に手伝ってもらって、ここまで運んだのよ?』


ああ、そうか…


俺、ぶっ倒れたのか…


雨の中を傘もささずに歩けば倒れて当然か…


『とりあえずこれに着替えて…』


差し出された服ではなく凪の腕を引っ張る


『きゃっ!!』


倒れこんできた凪をベッドに寝かす


上から覆い被さるように体を包む


逃がしたくない


「凪…俺…」


そこまで言って口ごもる


謝りたいのになんて言ったらいいのかわからない


許してくれって言うにはあまりにも都合がいい


由吾の言う通りだ



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