ある17歳における不明瞭な愛についての考察
everyday for "ONLY" you
今にも雨が降り出しそうだ。
俺は肩をすくめながらいつもの道の上でほうっと息をついた。
チャリに跨ったまま、長い信号待ち。それだけで凍えてしまいそうな12月の朝。
オーソドックスな学ランから、その中に着たグレーのパーカーのフードを出して、ネックウォーマーをさらに身につけて。
…それでも、やっぱり
「……寒い…」
色の付いていない冬の朝の空気に浮かぶ青信号。ペダルを踏み込み、周りの学生の流れに乗って道路を渡る。
俺の隣を、ほくほくと嬉しそうな顔をした他校のカップルが抜き去った。
のろのろと走る左側の一年生の後ろにつこうとして、俺は振り返る。
別に声が聞こえた、だとか。
感覚とか気配とか、そんな漫画みたいな芸当は俺にはできない。
だけど何故か俺は振り返って、何故か「あいつ」がそこにいたんだ。