ある17歳における不明瞭な愛についての考察
「あたし」には、あなたの笑顔が見たいという気持ちがあるが、「かまってほしい」などとは恥ずかしくて言えないため、照れ隠しをしているのである。
これ、模範解答。
恥ずかしいから言わないけど、いつも思ってること。
「有斗は国語べんきょーしなよ」
机につっぷして、有斗を見上げて、あたしはやっぱり小憎たらしいことしか言えなくて。
「うわっ、ひでぇ」
でも、
ふへへって、有斗のいつもの笑い方を見ることができるから、それもいいかもって思う。
有斗の机の上に可愛くないペンギンを描いて、吹き出しにセリフを入れる。
「すーがくとあたし、どっちが大事なのよーう!」
……なんて昼ドラちっくな鳥類なんだろう。
そしたら有斗、あたしのシャーペンを奪いとって隣にもう一羽ペンギンを連れてくる。
まゆげがきゅっ!と吊り上がった、オトコマエなペンギン。
オトコマエペンギンくんは、ただひとことだけ言った。
「ちゆきがいちばん。」