ある17歳における不明瞭な愛についての考察




な、




な、




なんて奴だ、津田有斗。



「べ、べつに、」

あたしの身体中がふつふつと沸き上がっていく。
声を出そうとする息の球と声帯の震えは、盛大にズレを生じて。



有斗はというと、ニコニコしながら機嫌良くオトコマエペンギンくんの眉毛を太くしていた。

「べつに、何?」

促されたあたしは、有斗の言葉に押し出されるみたいに続きをいう。



「───べつに、ペンギンにいちばんとか言われても嬉しくないしっ!」





そして、少しの静寂。





まるであたし、アレじゃないか───「つんでれ」。

定義はよくわかんないけど、素直になれないでツンツンしちゃって。




ほら、有斗に笑われる───


と思っていたんだけど。


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