ある17歳における不明瞭な愛についての考察
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「ありと、弱すぎ!」
昔からこれが得意だった千往は、コントローラを握ったままで笑った。
前髪をちょんまげにして、完全にオフモードの千往は部屋の主である俺をぱしぱしと叩いて第17回戦目をせがむ。
明日は2人とも同じ講座で、それも3講目から──めったにない徹夜日和だね、とは千往の弁。
適当に夕飯をすませ、DVDも何本か借りた。
そして22時、今に至る。
「で、論文は?」
我ながら意地が悪いとは思うけど、あさってまでの提出期限を千往に突き付けてやると、現実に引き戻された千往が頬を不服そうに膨らませた。
「ちゆきだけ一年生のままは嫌だろ?」
2つのカップを机の端に追いやり、スペースをあけてやる。
床に転がっているクッションを置いてぽふぽふと叩けば、そこにおとなしく収まりに来る千往が愛らしくて、思わず頬が緩んだ。