あたしの俺様執事様。



あたしたちが病院にくる
ころには夜中だった。

あたしたちは受け付けで
部屋の番号を確認し急ぐ。




部屋に入るとベットのわきに
望が座り込んでいた。


「望っ!!」


呼んでも返事がない。
望の顔はまるで魂がぬけて
しまったかのように
顔色が悪くなっていた。
そして目が腫れている。


「なにが…ありましたか?」


海斗が声をかける。


「記憶…喪失、亮太が記憶喪失だって…ゥァァ…。」


涙を流す望。

記憶喪失?
ってことはいままでの
あたしや海斗との思い出を
忘れてるんだよね?

望との大切な思い出も
忘れちゃうんだよね?

そんなのヤダよ。

「でも…ゥゥ。もし記憶が戻らなくても…あたしまた…亮太のお嬢様になれるように頑張るぅぅぁぁ…」



望はあたしに抱き着く。
強いな…望は。

あたしだったら無理かも
もし海斗が記憶喪失になったら
のりこえられない。

今までの思い出が
なくなっちゃうなんて
嫌だよ…


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