あたしの俺様執事様。
震える足をふみしめながら
教室に戻ると海斗がいた。
不安でおしつぶされそうな
あたしは無意識のうちに
海斗のとこまで一直線に走り、
おもいっきり抱き着いた。
「…ぅっぅぅ…。」
だきかえしてくれて、
あたしの頭を優しく撫でる。
かっ海斗ぉ…
「落ち着け…。どうしたんだよ?」
「階段で…聞いちゃったの。かんなさんが夢花拓海にちゅーされてて…」
さっき見たことを全て
海斗に話すと、
海斗は一瞬眉間にしわを
寄せたけれど…
不安で泣いてばっかの
あたしをまた
ギュッと抱きしめた。
「もし夢花が俺たちを引き離そうとしたって、俺はぜってぇすずかを離したりしねぇから。安心しろ、俺を信じろ。」
さらに力をこめて
抱きしめてくる海斗の
優しさにまた涙が溢れる。
「うん…あたしも海斗と離れたくないから…信用する。」