あたしの俺様執事様。
夢花拓海はあたしを
近くのベンチに座らせ、
頭に手をのせると、
優しく撫でた。
「なんでもない…。なんでもないもんっ…」
「なんでもねーわけないやろ?」
強くそう言うと
あたしの体をつつむ
ように抱きしめてくる。
弱ってる時にこんなこと
しないでほしい…。
「夢花拓海…こんなときに抱きしめないでよ…離して…」
その言葉が聞こえて
いないのか、あたしのこと
を更に強く抱きしめる
「こんなときまで強がるなや。見てるこっちが辛い。しばらくこのままでいろや。」
抵抗する力も出なくて
あたしはそのまま夢花拓海
に寄り掛かっていた。
なんでだろう…
夢花拓海の胸はとても
暖かくて、落ち着いた。