あたしの俺様執事様。
あの時に…か…。
なんかよくわからなくて
不思議な気持ちになった。
じゃあ、ちゅうしよって
言ってきたのも
本気だったって…こと。
急に恥ずかしくなる。
そんな妄想をしていると
海斗があたしの右腕をつかみ
あたしを立ち上がらせ、
ぎゅっと抱きしめた。
「悪いけど、すずかは俺のもんだから。」
海斗の胸は…
やっぱり落ち着いた。
「もう俺はええわ。こんな賭けも終わりにする。かんなには俺から言っとく。」
そう言って海斗に殴られた
お腹をおさえながら
部屋からでていった。
久しぶり…とはいっても
二日ぶりなんだけど。
海斗と二人きりの時間
いつもよりも緊張する。
「すずか。俺、ずっとこうしたかった。」
あたしを優しく、でも
さらに力強く抱きしめる。
その優しさや温かさに
あたしは一気に安心して
涙が溢れた。