あたしの俺様執事様。
この時は、
こんなに輝く笑顔を持つ
華恋ちゃんをいやがる望が
全然わからなかった。
でも…この子があたしたちに
また事件を巻き起こすなんて
まだわからなかった。
―――次の日。
あたしと海斗が学園に行くと
廊下に華恋ちゃんがいた。
なんだか雰囲気が
お花をまきちらしてる
みたいではなやかだ。
執事さんがいなくて、
授業で必要な教科書を
職員室から自分で
受け取りに行ったみたいで
沢山積み上げられた教科書を
大変そうに運んでいた。
重そう…
あたしが手伝いに行こうと
した瞬間、海斗があたしの
肩をつかみ、いった。
「すずかが手伝うんなら俺がやる。すずかの執事だからな?」
そう言ってあたしの横を
通りぬけた。
そして華恋ちゃんのもとへと
行くと、ひょいっと
全ての教科書を持ち上げた。
…かっこいい。