あたしの俺様執事様。
「ひゃっ…あっありがとうございます…。」
びっくりした表情で
海斗を見た華恋ちゃん。
「教室までお運びいたします。」
華恋ちゃんの机に教科書を
おくと、一礼してあたしの
もとへ帰ろうとする海斗。
でも…去ろうとする
その海斗の手を
華恋ちゃんは掴んだ。
「あなた…立花海斗さん?」
なんだか少し怖いような
でも期待しているような目で
問い掛けた。
「…そうですが?」
「へえ…。そう。」
それだけ言って
教室から出ていく。
その華恋ちゃんはいつもと
なんだか違っていた。
教室から出ていく横顔、
それは何かをたくらんでいる
ような顔だった。