あたしの俺様執事様。
海斗の声なんて
無視をして走った。
無我夢中でなにも
考えずにただただ走った。
海斗なんで黙りこむの?
もっと否定してよ…
ヤるのには慣れてるとか。
激しかったとか。
たとえ事実だったとしても
嘘でもいいからもっと
否定してほしかった。
否定して否定して否定して…
今はもうお前なんか
大嫌いだから
とか言ってさ。
弱虫なあたしを安心させてよ…
「はあ…。」
学園の道で座りこむ。
―携帯おいてきたし…。
もしかして海斗が
また来てくれるかな?
なんて思ったりする。
なに考えてるんだよ自分
スタスタスタ...
足音が聞こえてくる。
もしかして海斗なの?
「…すずかお嬢様…?」
いや違う。この声は
「亮太くん?」