あたしの俺様執事様。




なんで素直になれないんだろう
素直にならなきゃって
思う自分がいるのに、
悪いほうへ悪いほうへと
考えてしまう。



もちろんわかってる…
わかってるよ海斗。

海斗からキスなんて
するわけないって。

でもね…どっちにしたって
あたしは海斗が他の女の人
とキスするのなんて
見たくなんかないんだよ?

この目で見たものが
嘘でいてほしいと…
夢でいてほしいと思った。





「すずかっ。待てよっ」


あたしの腕を掴む海斗。
ハァハァと息をあげている
のが感じられた。
一生懸命おいかけてきて
くれたんだね…。


「話しを聞いてくれ。」


でもね…いまのあたしに
なにを言ったって駄目だよ。

感情コントロールが
できない。



「言い訳を…聞いてほしいの?」

あたしの馬鹿。

「海斗の顔なんて見たくないよ。」

なんで…?

「声なんか聞きたくないよっ!!」

素直になれないのかな?




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