あたしの俺様執事様。



「三日間…距離おこう。すずかもだろうけど、俺も今どうすりゃいいかわかんねぇ…。」


距離…?


「じゃあな…。」


やだ…離れたくないよ。

"行っちゃやだよ!!"

本当はそう言いたかった。
でも口が開かなかった。

ただあたしから離れていく
海斗の寂しそうな
背中を見つめてた。


本当は…だれよりも
海斗のことを信じてる。

いつもは意地悪なのに
嘘だけはつかないって
知ってるよ?

好きって気持ちも
充分つたわってるよ…。

でも、あたしは少しの不安に
うちかてなかった。


気づけばもう朝。

明るくなりはじめる空。

日の出は…雲で少し
かくれてしまっている。

まるで…あたしの気持ちのように。

今日の補修は…休もう。


部屋に戻ると誰もいない。
かんなさんも、海斗も。


「…寝よう。」


あたしはなにも
考える力がなくそのまま
ベッドに寝てしまった。

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