あたしの俺様執事様。




ドンドン


あたしの部屋の扉を
たたく音が聞こえた。


「海斗なの…?」


海斗だ。海斗だ。

あたしはよろめく足を
ふんばりながら玄関まで走る。
そしていきおいよく
扉をあけた。


「海斗っ!!…。」


そこにいたのは海斗ではなく
心配そうな顔をする
望と亮太くんだった。


「海斗くんじゃなくてごめんね?」


悲しい笑顔であたしに言う。


「二人とも…とりあえずどうぞ。」


あたしは二人を部屋の中に
いれるとソファに座る。


「すず…目が腫れてる。」


望はあたしの隣に座ると
優しく頭をなでた、

この優しさでまだ
涙があふれそうになる。


「海斗くんと…なんかあったでしょ?亮太から昨日、すずかが元気なかったって聞いて…。

今日、補修のときも海斗くん一人で元気なくってさ。すずも来ないし、なんかあったかなあって…。」


海斗も元気ないんだ…?

距離おこうって言ったのは
海斗なのに…。

でもそれよりあたしは
気になることがあった。


「かんなさんはどこにいるの?」


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