Honey Sweet Melody
Spring

飯島家の隣人

 今日は4月1日。学校は春休みだというのに、なぜか飯島華音(イイジマカノン)は学校にいる。というのも。

「華音!なーにさぼってんのよ?」

 華音の背中をバシっと叩く、ボブヘアが良く似合う華音の親友、紗和(サワ)だ。

「さぼってないってば!っていうかあたしは生徒会の人間じゃないのに!」
「いいじゃないのーどうせ暇でしょ?」
「暇だけど…って紗和!あんたねぇー!」
「だって今人手不足なんだもん。ねぇ順平(ジュンペイ)?」

 紗和の肩をもつのは紗和の彼氏であり生徒会書記の順平だ。

「そうなんだよ。先輩たちは新入生歓迎会の企画で忙しいし、だから俺たちが…。なぁ?大樹(ダイキ)?」

 今度は少し目つきの悪い高身長、大樹。

「そういうこと。つーわけで華音、協力頼むぞ。生徒会室の大掃除。」
「ってあたしは関係ないじゃん!」

 華音は生徒会のメンバーではない。それなのに日々こうして生徒会室に入り浸ってはこうしてこき使われている。生徒会メンバーに仲の良い友人が多いという現実が招いた現状だ。

「だから親友の頼みだってば!お願い華音!」
「パフェ、奢りなさいよね?」
「うー…分かったよ…。」
「さて、仕事仕事!順平、そっちの資料取ってくれ。」
「おー。」

 生徒会の主な仕事には関わらない。メインではなく、あくまで雑用係としてそれなりに重宝され、ある程度の報酬(過去にパフェ、ハンバーガー、パンケーキなど)を貰ってはいる。
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