奏〜大好きなキミへ〜
コンクールまであと1ヶ月をきった。
いよいよオーディション。
緊張してダメだぁっ…
先生が入ってきた。
始まる。
「どうぞ。始めてください。」
緊張して手が震える。
メトロノームとぴったり合わない!!
結果は散々に終わった。
だけどその後。
「表現の仕方すごく上手いね!
誰に教わったの??」
「いや…誰にも教わってません。」
「フィーリングでやってるのか!凄いね!」
「ありがとうございます!」
褒められた!
落ち込んでた分、
スゴく嬉しかった。
その日は2年が企画した
曲についての勉強会があった。
光先輩の隣になれるか期待したけど…
そんなはずもなく。
先輩が見える位置は確保できた。
あたしたちがやるのは、
昔、実際に起こった立てこもり事件を題材にした曲。
立てこもった犯人グループは、実はとても優しい人たちだったと知った。
自分の中で犯人グループは悪い人たちだと勝手に思い込んでた。
その人たちの思いを知った上で
この曲を演奏しなきゃいけないよね。