奏〜大好きなキミへ〜
山の上には神社があった。
ベンチに座って色々話す。
どうして好きになったの?とか
俺のどこがいいの?とか。
別に理由なんてない。
気付いたら好きだったんだよ…
あっ…
まだ聞いてないことあった。
「付き合うって事の返事を聞いてないんですが…?」
「うん…
それなんだけどさ…」
と言って先輩は悩みを打ち明けてくれた。
体が弱いこと。
両親が離婚してお母さんがいないこと。
家計が苦しくて大学に行かないで就職をすること…
「こんな俺でも好き?」
当たり前じゃん…
余計守りたくなったんだ。
ううん、守ろうって決めたんだ。
「あたしが先輩のお母さん兼彼女になります。
あたしがお母さんの代わりになります!」
「傷付けちゃうかもしれないよ?」
それでもいい。
それで先輩が少しでも幸せになれるなら。
笑ってくれるなら…
「どんなに傷ついたってかまいません。あたしは…
先輩の事が大好きですから。」
「ありがとう。でも付き合うのはコンクールが終わってからでもいいかな?
チームワークが乱れたら嫌だから…」
「いつまでも待ちます。」
先輩と一緒にいられるなら何日でも、何年でも。
でも…
ワガママな自分がいる。
先輩の家の前に来たとき。
「やっぱり今日から付き合うっていうのは…ダメですか?」
ちょっと悩んで、いいよ。と言ってくれた。
「ありがとうございます!」
そう言ってバス停までスキップ。
今日から…
先輩の傍にいられるんだね…