暴れる羽
時刻はすでに6時を指そうとしていた。
今日じゃないのか?
それとも上総の勘違いか。
どちらかといえば、勘違いであってほしい。
ふと今日の放課後の美羽の姿が目に浮かんだ。
初めて、自分からここに来たいといってくれたのに。
俺はそんなささいな願いさえ叶えてやれない。
今日、襲われるかもしれないってときに、美羽を連れてきたくなかったし、
自分にはもしものときに、美羽を守れる自身が無い。
そんな無責任なことはできないのだ。