暴れる羽



「美羽……。おいで」


海は大きく腕を広げ、美羽にほほえみかけた。




美羽は呆然と立ったまま、海を見ていた。



「来ないの?」




海の問い掛けに美羽は首をふるだけ。



「なら、はやく来いよ」



美羽は一歩踏み出した。




それが美羽のリミッターを外した。



涙を流しながら、美羽は海に近寄り、その胸の中に飛び込んだ。



久しぶりの海の香り。


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