暴れる羽



「やっとつかまえた。全部話すから。だから美羽の部屋行ってもいい?」


抱きついたまま離れない美羽に海は呟いた。


美羽は鼻をすすりながら何度も頷いた。



それを確認した海は、やわらかな笑みから、キリッとした目をかわると、紫苑を見た。




「……お前も来い。君も知る権利がある」


美羽がビクッと震えたが、すぐに落ち着いた。




「俺らも!」



大地が言ったが、それは海が止めた。



「悪いな。今は総長だけにさせてくれ。あとで、こいつから聞いてくれ」



それだけでは納得いかないみたいだったが、潤平が無言で止めた。



< 142 / 230 >

この作品をシェア

pagetop