暴れる羽
「あと、なんで全部知ってるんだ?」
少し黙った。
言葉をまとめるように。
「昨日電話があった。翔太から。それで全部聞いた。ま、それも全部計画だろうけど」
どこまでも憎たらしい奴だ。
「そんだけ聞ければ満足。恋人の久しぶりの再開の邪魔者は退散します」
美羽は少し顔を赤くしたが、海は、
「それはありがたい」
とこの期におよんで憎まれ口をたたいた。
玄関で靴を履いていれば美羽が声をかけてきた。