暴れる羽



「ってことで、今日は帰る」



まだ一時間目すらはじまっていないのに美羽は帰ることにした。




――会いたいよ。海……



寂しくなったとき、どうしようもなくなったとき、美羽のそばには海がいた。


大好きだったけど、あたしは、海を巻き込んでしまった。


海だけじゃない。

金龍のみんなもまきこんだ最低の総長だった。



あたしは海を求める資格もない。



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